メル・ハーブ

団体がある国
ケニア
設立
1985年
商品

収穫されたハイビスカスのがく

収穫されたハイビスカスのがくと種

ハーブティー、ジャム
団体概要
フルーツやハーブを栽培し、ジャムやハーブティーに加工して販売しています。
農場では約430世帯、工房では約100人が働き、80%が女性です。環境に対する意識が高く、236軒の農家のうち、66%が日本やイギリスの有機認証を取得しており、残りの34%も有機栽培への転換中です。
歴史・背景
家庭に安全な飲み水をひくためにイタリア政府の支援を受けて設立した灌漑プロジェクト「ングル・ガキルエ・ウォータープロジェクト」(NGWP)がそもそもの始まり。1991年には、地元農家にかかる経済的制約の緩和や、灌漑づくりと点検のコストを軽減させる目的で、フルーツのジャムやハーブティーを手作りして販売するメル・ハーブプロジェクトがスタートしました。
活動内容
メル・ハーブの灌漑システムは電気や機械を使わず、土地の高低差と水圧だけで動くエコロジカルなものです。灌漑システムを中心に農園と工房からなるコミュニティを形成しています。水の供給は水道管のような4本の地下水路で分けられ、供給回数と曜日が決まっています。供給した水を各家庭やエリアで貯水するためのタンクを配布していますが、まだまだタンクのコストが高く、供給を待っている農家が多くあるそうです。

栽培しているハーブは、レモングラス、ハイビスカス、カモミール。フルーツはパパイヤとレモンとマンゴーを栽培しています。
その他、自家消費のポテトや豆、コーンなども栽培します。
そのほかの活動

屋根の上に設置されたソーラーパネル。

屋根の上に設置されたソーラーパネル。

ソーラーパネル、ソーラーランプ、バッテリーの順に供給するソーラープロジェクトを実施しています。パネルやランプは大多数の農家が設置できました。

NWGPのメンバーとメル・ハーブのスタッフで構成するSACCO(SAvings and credit Cooperative Society)という信用組合のようなものを運営しています。

イタリアの労働者のためのキリスト協会(Acli Associazione Cristiana Lavoratori Italiani)から資金提供を受け、従業員と農家の子どもたちに奨学金を提供しています。これは約10年続いており、これまで60人の子どもたちが進学できるようになりました。
生産者の物語

お話を伺ったジポアル・キウアさん(右)と夫のロバート・カリマさん。

お話を伺ったジポアル・キウアさん(右)と
夫のロバート・カリマさん。

メル・ハーブに加盟して16年になる、ジポアル・キウアさんにお話を伺いました。

― 加盟してよかった点は?

「オーガニックの栽培方法を学ぶことができました。虫害にあいやすいカモミールのまわりにレモングラスを植えて虫除け効果を得たり、毎年、栽培するものを変える輪作で土壌の栄養を保つなど、適切なアドバイスで収穫量が増えました。年に3回の栽培方法のセミナーでは、有機肥料の作り方を教えてもらっています。また貯水タンクの配布により、水の心配が減りました。作物に与える水も定期的に供給があり、助かっています。何キロも先の川まで水を汲みに行く必要がなくなりました」。

― 生活は変わりましたか?

「計画的に収入が得られるようになりました。収入の多い時に貯金しておいて、収穫の少ない場合に備えています。それから去年ソーラーランプの供給がありました。今まで使っていたパラフィンランプ(※)と比べて、においもなくススで黒くならないので、とてもいいですね。ほかにも、17歳の長男と14歳の長女を学校に通わせることができました。とても満足しています。」

※ ロウソクのロウが液状になったようなパラフィンオイルや、灯油を指す場合もある

 

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