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記事: フェアトレードのお話 ―「みんなが幸せに暮らす」ためにできること ―

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フェアトレードのお話 ―「みんなが幸せに暮らす」ためにできること ―

広報・啓発担当のスズキです。

毎月1回、自由が丘店かオンライン開催で「フェアトレードの学校」を企画しています。このところ、小学校から大学まで、本当の学校に出前授業に行くこともあります。

SDGsへの関心が高まる中、社会科や地理総合、家庭科などの副読本にフェアトレードが掲載され、出前授業のご依頼も確実に増えています。これからの社会を担う若者たちへのアプローチとなる取り組みが心強く、とても嬉しく思っています。

今回のブログでは、フェアトレードの学校や出前講座でいつもお話していることを抜粋してみました。

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フェアトレードって?


「フェアトレードってなんでしょう?」とたずねると、よく聞く回答が「公正な貿易」「適正な賃金を支払うこと」。

正解ですが、フェアトレードではそれ以外のことも大切にしています。例えば、ピープルツリーが加盟している世界フェアトレード連盟(WFTO)では、フェアトレード団体が守るべき「10の指針」を掲げています。

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世界フェアトレード連盟についてはこちら >>

「フェアトレード=公正な賃金」とだけ覚えていると、児童労働やジェンダー平等がなぜ指針に入っているのかピンと来ないかもしれません。でも、何のためにやっているのか?という「目的」が分かるとイメージがしやすいと思います。

フェアトレードは、「みんなが幸せに暮らせる世界」を、ビジネスの仕組みで実現するための活動です。

適正な賃金を支払うことや、児童労働をなくすこと、ジェンダー平等を守るのは、そのための具体的な「手段」。2015年に国連でSDGsが採択されるよりもずっと前から活動してきました。「みんなが幸せに暮らす」ためという大きな目標に向けて、フェアトレードではそれぞれの指針に照らして問題解決に取り組んでいるのです。

「みんなが幸せに暮らす」には、大きく分けて環境問題と貧困(社会)問題を解決する必要があります。問題解決のための手段はひとつではなく、いろいろあったほうが解決スピードは速いですよね。だから、国や国際的なネットワーク、企業やNGO・NPOといった組織、一人ひとり、それぞれのスケール感でできることをしていくことが大事です。役割は他にもいろいろとありますが、ひとつの例を簡単にまとめてみます。












一人ひとり
→ 消費者として、フェアトレードのお買い物をする
企業
→ ピープルツリーはフェアトレード専門ブランドとして、魅力的な商品を企画する
国際的なネットワーク
→ 世界フェアトレード連盟(WFTO)は生産者団体とバイヤーが連携し合ってグローバルにフェアトレードの啓発・推進を行う

 

 

手仕事で実践


「みんなが幸せに暮らす」ための具体的な方法として、ピープルツリーでは「手仕事」によるものづくりを実践しています。

例えば、お洋服1枚をとっても、手仕事なら綿花を摘む、生地を織る、糸や生地を染める、プリントする、刺繍する…など、たくさんある工程ごとに仕事を生み出すことができます。また、手織りや手編みによるものづくりでは、電気に依存せずに仕事ができるのもメリット。停電が多く、電気の供給が安定しない地域でも現金収入を得る機会が持てるのです。これはまた、脱炭素に貢献する、エコロジカルな生産でもあります。

それぞれの生産者団体が得意とする技法やできることを生かして、ピープルツリーのデザイナーや生産管理のスタッフが話し合いながら、商品企画を進めています。

手仕事から生まれた商品は、つくり手の思いが込められていて、大量生産にはないぬくもりが感じられます。

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↑会社案内2022より
ダウンロードはこちら >>

 

オーガニックであること


もうひとつ、ピープルツリーが力を入れていることに、「オーガニック」があります。

オーガニックな栽培は、人の健康や水、土壌などを害する農薬を使用しないため、働く人が安心して健康的に仕事ができ、生物多様性も守られる、人と地球にやさしい持続可能な農業です。遺伝子組み換え種子や農薬などの購入費用がかからず、農家の経済的負担も減らせます。

「みんなが幸せに暮らせる社会」を目指すフェアトレードと、見ている未来が同じだからこそ、ピープルツリーではできる限りオーガニックな素材を使うことで小規模農家を応援しています。ピープルツリーのコットン製品のうち、約8割がオーガニックコットンです。

ほとんどのオーガニックコットンはGOTS(オーガニック・テキスタイル世界基準)認証、すべての素材がオーガニックなチョコレート、ペルーのコーヒー、紅茶、ハーブティー、ケント種のドライマンゴーは有機JAS認証を取得しています。

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詳しくはこちら >>
毎日の暮らしの「楽しみ」にフェアトレード&オーガニックを取り入れることで、つくり手を支え、地球環境を守ることができます。

 

ロングセラー商品とフェアトレードのお買い物


試行錯誤を経て生まれてきた商品の中には、長く愛されてきたロングセラーアイテムがあります。たくさんの方の「定番のフェアトレード」になった商品と言えるのでは。

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実はワタクシ、1999年からピープルツリーのお買い物をしてきたヘビーユーザー。まさに「綿の石けんメッシュ・バッグ」を買っていました!

なぜ私がフェアトレードのお買い物が好きかと言えば、毎日の生活が無機質にならないから。プラスチックではない、天然素材だというのもありますが、「人の手でつくられたんだなぁ」としみじみ感じられるのがうれしいというか、ありがたいというのか。自分でつくろうと思ったら手間だよな~。つくってくれる人がいたから、私が使えるんだよね。すべてのものは、地球の資源を使って、どこかで誰かがつくったものだという「当たり前だけどスゴイ」ことが実感できて、感謝の気持ちが生まれるのです。

誰かや何かに感謝すると、幸せな気持ちが湧いてくる。
「みんなが幸せに」の「みんな」には、「私」も入っているのです。

よく社会的な活動には自己犠牲や我慢がつきものというイメージがあって、「私には無理」「できない」と思われがちです。でも、それでは続かない。自分も幸せ、楽しい!と感じることが、続けられるコツです。

おしゃれな服、かわいい雑貨、おいしい食べもの。
日々の暮らしを楽しむ中で、みんなが幸せになれる選択肢。
これがピープルツリーの考える「フェアトレード」です。

ぜひ、フェアトレードのお買い物を楽しんでくださいね。

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