ピープルツリーのオーガニックコットン ~ゼロから始めたストーリー~ Vol.2 「認証までの長い道のり」
原綿の農家から最終製品の加工までのサプライチェーンを築いたピープルツリーが次に目指したのは、オーガニック製品であるという認証を取得することでした。
これは当時、「オーガニック」を謳う製品が注目されはじめたものの、真偽がわかりづらく、きちんと背景を説明できる透明性と信頼性が必要と考えたからです。
当時は、農産物である原綿のオーガニック認証については各国の基準を世界的に統合する作業が進んでいましたが、製糸や織り・編み、染めなどの加工を経て製品となったテキスタイル(繊維製品や生地)の認証は、一部のオーガニック認証組織が独自の基準を制定しているのみでした。
ピープルツリーは、オーガニックテキスタイル基準を持つイギリスの認証機関「ソイル・アソシエーション(SA)」で認証を取ることを決め、2005年に審査を申し込みました。
オーガニックテキスタイルと認められるためには、オーガニック認証を受けた原綿が最終製品となり出荷されるまでのすべての過程において分離・識別され、加工の過程でも有害な化学物質が使用されないことや、生産者の健康と人権を守る倫理規定が求められます。
これらが実践されていることを第三者に証明できなければなりません。
原綿のオーガニック認証書類や加工過程でのそれぞれの商取引の証明書を入手したり、製造や保管を適切な方法で行うためのマニュアルや作業記録を作成したりといった作業は、最終製品をつくるアシシ・ガーメンツが担わなければなりませんが、小さな縫製工場にとっては簡単なことではありません。ピープルツリーはアシシ・ガーメンツと二人三脚で、ひとつひとつ必要な作業をクリアしていきました。
サフィアとジェームズは、アシシ・ガーメンツの担当者と共にジニングや紡績、染色、生地の織りなどそれぞれの工場を訪ね、書類の発行を依頼したり、時には基準に合うよう作業工程を変えてもらう交渉をしました。
大規模な工場は、小規模の取引のために手間とコストをかけてオーガニックコットンの加工を別管理することに難色を示し、同意を得るまで何度も説得しなければなりませんでした。
ピープルツリーが費用を負担してコンサルタントを雇い、書類の作成や手続きをアドバイスしてもらうこともありました。
そしてようやく申請書類が整い、SAの審査官がインドに査察にやってきました。
<Vol.3につづく>
これは当時、「オーガニック」を謳う製品が注目されはじめたものの、真偽がわかりづらく、きちんと背景を説明できる透明性と信頼性が必要と考えたからです。
当時は、農産物である原綿のオーガニック認証については各国の基準を世界的に統合する作業が進んでいましたが、製糸や織り・編み、染めなどの加工を経て製品となったテキスタイル(繊維製品や生地)の認証は、一部のオーガニック認証組織が独自の基準を制定しているのみでした。
ピープルツリーは、オーガニックテキスタイル基準を持つイギリスの認証機関「ソイル・アソシエーション(SA)」で認証を取ることを決め、2005年に審査を申し込みました。
オーガニックテキスタイルと認められるためには、オーガニック認証を受けた原綿が最終製品となり出荷されるまでのすべての過程において分離・識別され、加工の過程でも有害な化学物質が使用されないことや、生産者の健康と人権を守る倫理規定が求められます。
これらが実践されていることを第三者に証明できなければなりません。
原綿のオーガニック認証書類や加工過程でのそれぞれの商取引の証明書を入手したり、製造や保管を適切な方法で行うためのマニュアルや作業記録を作成したりといった作業は、最終製品をつくるアシシ・ガーメンツが担わなければなりませんが、小さな縫製工場にとっては簡単なことではありません。ピープルツリーはアシシ・ガーメンツと二人三脚で、ひとつひとつ必要な作業をクリアしていきました。
サフィアとジェームズは、アシシ・ガーメンツの担当者と共にジニングや紡績、染色、生地の織りなどそれぞれの工場を訪ね、書類の発行を依頼したり、時には基準に合うよう作業工程を変えてもらう交渉をしました。
大規模な工場は、小規模の取引のために手間とコストをかけてオーガニックコットンの加工を別管理することに難色を示し、同意を得るまで何度も説得しなければなりませんでした。
ピープルツリーが費用を負担してコンサルタントを雇い、書類の作成や手続きをアドバイスしてもらうこともありました。
そしてようやく申請書類が整い、SAの審査官がインドに査察にやってきました。
<Vol.3につづく>