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記事: つくり手の気持ちを込めた
世界にたったひとつのニット

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つくり手の気持ちを込めた
世界にたったひとつのニット

いつの間にか、ぐっと秋めいてきましたね。
街中に金木犀の香りが満ちてきました。
澄んだ空とさわやかな秋風の季節が始まります。

そろそろ衣替え。セーターが恋しくなる季節です。
突然ですが、みなさんは編みものをしたことがありますか?
私はだいたい年末年始、実家に帰った瞬間だけ、
なぜか編みものをするのがここ数年の恒例行事になってきました。

母の部屋に潜り込んで、ごろごろと余っている毛糸とにらめっこして、
何をつくろうかと想いをふくらませたり、着なくなったセーターをほどいてみたり。

実は、編みものはいつもおっかなびっくり。
すでに出来上がっている布地で洋服をつくるのとは大きく違い、
いつもはじまりは一本の毛糸から……。
一本の毛糸が、立体のお洋服になるのが、いつもいつも不思議でなりません。

何度編んでみても覚えられないので、母にべったりと張りついて手取り足取り教わるお正月です。
実際に編んでみると、少し気を抜いた瞬間に、編み目を間違えたままずっと編んでしまっていたり、
いつのまにかねじれていたり、色を変えるのを忘れたり……。
気が遠くなるほど編み上げてから、イチバンはじめがねじれていたのに気づき、
全部ほどいてゼロからつくり直し!のときは、さすがにちょっと涙が出そうになりました。

おばあちゃんがゆったりとロッキングチェアで編みものをする、みたいな妄想通りに現実はいきません。
体力や集中力、精神力がいるし、肩もこります。

でも慣れてくると、ひと編みひと編みは、それはそれはリズミカルで、
織った布を縫い合わせるのとはまた違った、愛おしい作業になります。

ピープルツリーの手編みのニットは、
澄み切った空気が拡がるヒマラヤの山々に囲まれたネパールで、
女性たちがひとつひとつ大切に編み上げています。 

編むスピードは、私のおぼつかない編み方とは比べものにならないほど素早く、
その手さばきに、思わず目を見張ってしまいます。


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彼女たちがつくるニットの中で、私が特に大好きなのがリサイクルウールのニット。

リサイクルウールというと、
なんとなく廃材を毛糸に再生して何かをつくっているような印象ですが、
実はすべて未使用の毛糸を使っています。

毛糸も布も何でもそうなのですが、
ものをつくるときにすべての材料を全部ぴったり使い切って、
ゴミが出ないということは、今の世の中ではまだ実現されていません。
材料が不足しては作業が滞ってしまうので、余裕分も用意するのが通常です。
いろんな色の毛糸を使って編めば、その毛糸が少しずつ余るのです。
たくさんの種類のセーターを編めば、その「少しずつ」が、いっぱいになります。

一般的な企業だと、余ったものは産業廃棄物として、大量なゴミになって廃棄されます。
「アップサイクル」という考え方も浸透し始めていますが、
工場で生産される布のうち、実際に衣類になるのは15%で、残りの85%は廃棄されているという報告もあるほど。

私たちは、10年ほど前からこの残った毛糸を使って、
新しいニットアイテムをネパールのつくり手さんたちとつくっています。


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ベースとなる編み柄は、ピープルツリーが企画しますが、
編み手さんたちが、余った毛糸から色を選びながら編み上げます。
身につける人を想って配色を考え、
想像力が活かされたニットは、ひとつひとつ表情が異なる、
世界にたったひとつしかないニット。

すばやく大量に工場でできあがった均質なものとは違う、
糸を紡ぎ、染め、編む、すべてのプロセスに心を込めて、すべて手仕事でつくりあげたもの。
大量生産にはない、編んだ人のちょっとしたクセや配色の好みも存分に楽しんでみてください。

リサイクルウールのアイテムはこちらから >>

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