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記事: ネパールから届いた手織りのバッグとポーチ

ファッション

ネパールから届いた手織りのバッグとポーチ

こんにちは、商品企画チームのクギミヤです。
2019年秋冬コレクションがいよいよ発売になりました。商品企画チームにとっては、サンプルづくりから、本生産に向けた糸や生地のチェック、生産状況の確認と、約1年に渡り見てきた商品ですが、改めて無事ネパールから出荷し、店頭にディスプレイされているのを見ると気分が上がります。
今日はたくさんの新作の中でもネパールから届いた手織りのバッグとポーチをご紹介します。

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届けてくれたのは15年以上ピープルツリーと一緒に活動しているフェアトレード団体ニュー・サドル。多くの人で賑わう市街の中心からバイクで30分ほど行った、カトマンズ盆地を眼下に望む自然豊かな村「カパン」に拠点を構える団体です。1989年にハンセン病患者の療養所として活動を始め、1997年から手仕事による収入プログラムをスタートしました。

世界的には年々患者数が減少しているハンセン病ですがネパールではまだ多くの患者が治療を受けています。(WHOのサイトより)早期の診断や適切な治療によって完治するうえ治療中の患者からも感染することはありませんが、患者や治療を終えた人は未だ根強い偏見や差別にさらされ仕事の機会を得ることが難しい現状があります。

ニュー・サドルでは、運営するリハビリセンターでハンセン病の回復者の方々のサポートを行うとともに、彼らが安定した収入を得られるよう、手仕事による製品づくりのプログラムを行っています。このプログラムにはハンセン病の治療を終えた人々だけではなく、社会的・経済的に立場の弱い女性たちも参加しています。


腰にストラップを渡して機織りする伝統技術。バックストラップ織りシリーズ


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こちらは、今回の「バックストラップ」シリーズのポイントとして使われている手織りの生地の工房。
織り手の前方に長いタテ糸が天井近くまで張られ、そのタテ糸が弛まないよう織り手は腰の後ろに回したストラップに体重をかけています。バック(腰)にストラップを渡し機織りする様子から「バックストラップ織り」と呼ばれる技法で、アジアや南米などネパール以外の地域でも同様の技術が古くから伝承されています。

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シャトルを使って繰り返しヨコ糸を通し、布を織りあげます。
ヨコ糸を往復させるたび、手元の木を使って丁寧に目を整えるため、
しっかりと目の詰まった丈夫な生地が織りあがります。
今回の製品に使われているような細いストラップから、数十cmほどの幅の布まで、
製品に応じてさまざまな布を織りあげることができます。

とてもシンプルな構造の織り機ですが、腰でタテ糸の張り具合を調節しながらヨコ糸で柄を織りあげるため、美しい織り目を生むにはコツと経験が必要とされます。

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このユニットで働く人たちの中には手先の欠損など、ハンセン病の後遺症を残す人も多くいますが、みな笑顔で自信に満ちています。夫婦ともに20年以上こちらのユニットで働くベテランも!
指先が丸まってしまい手織りの仕事も難しい人は、糸を巻く作業をするなど、
みんなで力をあわせてひとつの製品をつくりだしています。


バックストラップシリーズはこちら>

世代から世代へ口承される伝統技術 ダッカ織りシリーズ


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毎シーズン大人気のダッカ織りのバッグも新作が入荷しました!
ダッカ織りはネパールの少数民族、リンブー族とライ族の女性に代々口承で伝えられてきた伝統技術。
独特の風合いが美しい模様や色合いを表現するためには、とても緻密な手仕事が必要とされます。

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こちらは、ダッカ織りの模様を織っているところ。
頭の中にある完成図に沿って、ヨコ糸を差し込んでいき、まるで刺繍を施すように模様を描くという作業を繰り返しています。



織り手は生地の裏から、表地を想像しながら糸を通していきます。
パターンの配置、大きさが一定になるよう模様を描くためには、長年の経験と技術が求められます。
そのため、熟練の織り手たちでも1日に数十cmしか生地を織ることができません。

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今回はそんなダッカ織りを使ったショルダーバッグや、ちょっとしたお出かけに重宝しそうなトートバッグ、
たっぷり入るポーチなど、普段使いにぴったりな商品がそろいました。

ネパールではダッカ織りの生地は女性たちが身に着けるスカーフや、成人男性が被る「トピ」と呼ばれる帽子に多く使われ、色柄も明るく華やかなものから落ち着いたトーンのものまでほんとうにさまざま。
 width= こちらはニュー・サドルが運営する養老院の風景。ハンセン病の治療を終えた人や近隣地域の身寄りのないお年寄りなどが暮らしています。真ん中の男性2人がトピを被っています。

日本から遥か遠く離れた土地に脈々と受け継がれる伝統技術を日常に取り入れることができるのは、手仕事を大切にするフェアトレードならでは。バッグやポーチ、日々使うものだからこそ、隅々までストーリーが詰まった愛着のある品を選びたいですね。



ダッカ織りシリーズはこちら>

バックストラップシリーズはこちら>



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