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記事: 新しい日常はたくさんの気づきをくれました―5月のフェアトレード月間を振り返って

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新しい日常はたくさんの気づきをくれました―5月のフェアトレード月間を振り返って

6月に入り、早いものでまもなく1年の折り返し地点。
きっと世界中の誰もが、試行錯誤の半年だったのではないでしょうか。

私たちピープルツリーにとっても、まさにそうでした。

毎年5月の第2土曜日は世界フェアトレーデー。
ピープルツリーにとって、とても大事な1か月です。
いつもなら、イベントやセミナーを開催し、フェアトレードの魅力を伝え、手に取ってもらえるよう全力で走り切ります。

でも今年はそれができません。
「できない」日常の中で、新しい「できること」を模索しました。
そして「今やらなきゃいけないこと」も。

そうして出てきた答えが3つのことでした。

✔ 私たち以上に苦しんでいる生産者をサポートすること
✔ 動き出すそのとき、生産者にたくさんの仕事をお願いできるよう、お客さまの声を聞くこと
✔ オンラインで多くの人にフェアトレードを伝えること

今日はそんな私たちの5月の挑戦をみなさんにシェアさせてください。



お寄せいただいた支援額は3,076,800円!
生産者パートナーを支えるためのクラウドファンディング


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真っ先に考えたのは生産者のことでした。
日々連絡を取り合う中で、どんどん増える感染者と厳しくなっていく規制。
それは日本にいる私たちとは比べものにならないほど苦しい環境でした。

フェアトレードで手にした自立した暮らしに終止符を打ってはいけない。
再び仕事ができる日まで、どうにかして彼らの思いを支えたい。
そのための支援をできるだけたくさんの人に届けたい。
こうして私たちは、「今やらなきゃいけないこと」クラウドファンディングに挑戦することを決めました。

5月1日からグローバル・ヴィレッジとの連携でプロジェクトをスタート。数日のうちにたくさんのご支援をいただきました。
1週間後にはレディーフォーに切り替えてより多くの応援を呼びかけ、支援総額は2,147,000円に。目標の120万円を大きく上回ってプロジェクトは成立!6月5日23時に無事終了しました。
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その額は合わせて3,076,800円、これまでピープルツリーが行った支援プロジェクトで最も大きな金額です。

これからそれぞれの活動報告や要望をもとに各団体への送金額を決定し、6月中に送金を実施いたします。詳しいご報告は7月上旬を予定しておりますので今しばらくお待ちください。

現地の状況はなかなか改善の兆しが見えず、サプライチェーンが正常化し、フルキャパシティで生産が再開できる見込みは全く立っていないというのが現状ですが、生産者パートナーからは力を合わせてがんばっている活動の報告や、応援してくださったみなさまへお礼のメッセージがたくさん届いています。

支援をお寄せいただいたみなさま、周囲の方に協力を呼び掛けていただいたみなさま、SNSなどを通じて情報の拡散にご協力をいただいたみなさま、本当にありがとうございました!

このクラウドファンディングを通じて、応援してくださるみなさまとパートナー生産者の思いに触れることができました。
フェアトレードの活動を絶やしてはいけない、生産者パートナーたちと共に必ずこの苦境を乗り越えてさらにフェアトレードを強固なものにしていこうと決意を新たにしています。
これからもどうぞ応援をお願いいたします。

よりよいモノづくりのために!お客さまの声を集めるアンケート


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日常が戻ってきたら、生産者に必要なのは寄付ではなく仕事です。
たくさんの仕事を依頼すること。これが私たちの大事な使命です。
より多くの人にフェアトレードを知ってもらい、気に入っていただけるものを企画する。
そのために、お客さまの声を集めるアンケートを実施しました。
2週間ちょっとの短い期間でしたが、4000人ほどの方の声を聞くことができました。
本当にありがとうございました!

結果の中で、特に面白かったものをご紹介します。

Q.好きな手仕事は何ですか?
ピープルツリーはさまざまな手仕事を活かした商品をつくっています。
手仕事はその地域に伝わる技術の継承につながるだけでなく、雇用を生み出し、フェアトレードを支える大事な要素です。
そしてなんとも言えないそのあたたかさ、やさしさが、私たちは大好きです。

1番人気が高かったのは…
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手刺繍でした!
服の胸元や裾、小物にアクセントとして施され、華やかに彩ってくれる手刺繍。
納得の第1位です。

ただその他の手仕事も人気で、接戦でした。
手染め、草木染めのアイテムは最近あまりつくられていないのに、第3位と大健闘!
4位と5位の手編みとハンドプリントも選んだ方もたくさんいて、手仕事ファンが多いことを嬉しく思いました。

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これからも手仕事の魅力が存分に引き出されるものづくりを、生産者と一緒にしていきます。


Q. ピープルツリーの過去の商品で、再度販売してほしいものはどれですか?
今までたくさんのオリジナルアイテムをつくり、お届けしてきました。
オフィスに昔のアイテムを身に着けているスタッフがいると「懐かしい!これ可愛いよね!」と盛り上がることもしばしば。
そんな過去の人気商品をいくつかピックアップし、また販売してほしいアイテムを聞いてみました。

1位を獲得したのは…
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手刺繍の日傘でした!

そして、本当に僅差で2位だったのが…
リサイクルサリーのスリッパでした。
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どのアイテムも「欲しい!」の声をいっぱいいただいたので、生産者と相談し、再販を検討していきたいと思います。


そしてフリーメッセージの欄には、たくさんの応援やアイディアをいただきました。

 width= 「こんなものが欲しいなど、ご意見があればお聞かせください」という質問に対して、たくさんのアイディア!

 width= 「最後にご意見、ご要望、生産者へのメッセージなど、ご自由にどうぞ!」では、たくさんのあたたかい声

みなさまからのメッセージには、新たな気づきがたくさんありました。

スタッフみんなでひとつひとつ読ませていただき、これからのものづくりや情報発信にぜひ生かしていきたいと思います。
ご協力、本当にありがとうございました。


オンラインで初開催!フェアトレードの学校


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いつもは自由が丘店にお集まりいただいていた「フェアトレードの学校」。
緊急事態宣言で店舗での実施が難しくなってしまったので、新しい「できること」としてオンラインで開催することにしました。

今だからこそフェアトレードについて語り合う場を!と考え、1回目は鎌田ありささん、2回目は末吉里花さんとインドからパートナー団体の代表をゲストにご登壇いただくことに。
慣れない進行で不安はいっぱい、実際にトラブルでご迷惑をおかけしながらでしたが、どこからでも参加可能なオンラインでは2回でのべ220名以上、日本全国どころか海外からもご参加いただけました!
これだけ多くの方に関心を持っていただいたことを、とても嬉しく感じました。

日本に住む私たちも、あたりまえに過ごしていた日常生活をいろいろと制限され、普通の毎日がどれほど「ありがたい」ことなのかを実感する日々。
こんなときだからこそ、自分たちのことだけでなく世界とのつながりを考え、お買いもので応援するという発想が身近になり、これまでの経済最優先なあり方を改めた新しい生き方、働き方を考える人たちが増えていると実感しています。

ゲストスピーカーのひとり、インドのタラ・プロジェクト代表のムーンさんは「今こそフェアトレードが重要です。すべての職人が尊厳をもって生き残るために、食料とある程度の収入を得られるように努力することが私たちの使命です」とおっしゃっていました。

顔の見えるものづくりで作り手たちの暮らしや将来をサポートするフェアトレードは、これからの「ニューノーマル」な価値基準にふさわしい取り組みのひとつだと思います。

6月のフェアトレードの学校は、アンケートで最も開催希望の多かった「入門編」をお届けします。
個別のテーマがある回ではさっとしかできない説明や、基本的な情報を、わかりやすく丁寧にお伝えする予定です。ぜひご参加ください!

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お申込はこちら




新しい「できること」をこれからも


戸惑いからスタートしたフェアトレード月間でしたが、振り返ってみると、新しいアイディアや取り組みがたくさん生まれた5月だったと思います。
たくさんの人に支援していただき、声を届けていただき、参加していただきました。
離れているのに、人とのつながりを感じることができた、そんな1か月でした。

私たちの試行錯誤の日々はまだ続きそうですが、乗り越えた先の明るい未来を信じて、挑戦を続けていこうと思います。

たくさんのご支援、ご協力、本当にありがとうございました。

ピープルツリー
スタッフ一同

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