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ピープルツリー フェアトレードドライフルーツ

ピープルツリーで20年以上ものベストセラー
「プレダ基金」のドライマンゴー

フィリピンのプレダ基金がつくるドライマンゴーは、肉厚でしっとりとした食感で、ピープルツリーでも不動の人気を誇る商品。ルソン島やミンダナオ島で太陽をいっぱい浴びて育てられたマンゴーを砂糖のシロップに漬け、ドライマンゴーへと加工しています。プレダ基金はキリスト教の宣教師としてフィリピンに赴任していたシェイ・カレン神父が、麻薬依存者の治療や自立支援を目的に1974年に設立したNGO団体。今では、児童労働や買春、人身売買など、家庭や地域で虐待を受けている子どもたちを救出し、保護する活動を行っています。プレダはPeople’s Recovery Empowerment and Development Assistanceの頭文字をとったもので、「人びとを癒して生きる力を与え、発展を支援する」という意味をもちます。フェアトレードの商品を手掛けるのも、大人が働いて収入を得ることで暮らしを安定させ、児童労働や虐待などの問題を解決するためなのです。またマンゴー農家の中には、先住民族のアエタ族の人びとがいます。アエタ族はもともとルソン島のピナトゥボ山周辺で暮らしていましたが、1991年に大噴火が起こり、移住を余儀なくされました。そして、移住先で生活に困った人びとにシェイ・カレン神父がマンゴーを育てることを提案。苗木の植え方、化学肥料を使わない栽培方法など、プレダ基金のスタッフの協力を得ながら、現在では立派なマンゴーを毎年収穫しています。

マダガスカルの女性が起業した
「リチーランド」のドライフルーツ

アフリカ大陸南東のインド洋に浮かぶマダガスカル島は、日本の約1.6倍の国土を持つ自然豊かな国。一方、経済的には世界最貧国に位置付けられ、女性の働く場はなく、教育を受ける機会が圧倒的に少ないといいます。そんなマダガスカルにあるリチーランドは、特産のフルーツで仕事をつくり出し、女性の社会進出と安定した収入をもたらしたいと考え、2016年に設立されました。起ち上げたのは2人の女性、シシさんとフェラーナさん。小さな農家が栽培している良質な果物を買い付け、おいしく高品質なドライフルーツづくりを追及しています。果物は農薬や化学肥料を使わず、自然に近い状態でたくましく育ったものばかり。地元で人気のライチやバナナ、ポクポクと呼ばれるゴールデンベリー(食用ほおずき)などを手作業で加工して、ドライフルーツにしています。将来は自社でも農園を持ち、そのビジネスモデルをまわりの人びとに伝え、みんなが豊かになる役割を担いたいと考えています。また、2016年末から学校に通えない子どもたちのために私塾もスタート。公私にわたって地域のために活動しています。

ウガンダのパイナップルは
栽培にこだわる「フローナ」から

ウガンダ中央部の首都カンパラから東に90km、標高約1,200mのカングルミラにあるフローナは、ウガンダ出身のステフェンさんが1996年に設立。当初はヨーロッパ向けの有機農産物の輸出が中心でしたが、2001年から9・11の影響で生鮮食品の輸出が困難になり、2003年よりドライフルーツの生産を開始。設立から今日まで300軒もの農家へ粘り強く有機栽培の指導をし、今では強い信頼関係で結ばれた約20軒の農家を中心に果物を買い付けています。2004年からフローナと契約しているリタさんは、有機栽培のベテランです。夫と8人の子どもの10人家族で、5エーカー(約2万平方メートル)の農地をほぼリタさんひとりで管理し、その収入で家族を養っています。フローナとの契約前は小さな貸家に暮らしていましたが、今では土地を買い、家を建てることができました。子どもも多く、重度の障害を持つ子どももいるため、決して裕福ではありませんが、暮らしは少しずつ改善しているそうです。またフローナと契約する近隣の16軒の農家を取りまとめるなど、付加価値の高い農業の普及にも尽力しています。

収穫したマンゴーは紙をかぶせて大事に運びます。

青いマンゴーは2週間ゆっくり寝かせて追熟。

マダガスカルの特産品のひとつであるライチは、
祖父の代から植えている大きな木からも収穫するそう。

パイナップル農家のリタさん。地域の取りまとめ役としても活躍。