手摘みのハーブを自然乾燥させてつくるハーブティー
カフェインフリーで、安らぎのひとときをつくるハーブティー。あざやかな赤い水色と酸味が特徴のハイビスカス、さわやかな味わいのレモングラス、やさしい香りが広がるカモミール。どれも農家の人びとが丹精込めて育てたハーブを使っています。ハーブはていねいに手摘みで収穫して工房へ。ハイビスカスはガクと種子を分けて、ガクを乾燥させてハーブティーに。状態の良い種は農家に戻して次の栽培へと備えます。レモングラスやカモミールは金網状の台の上に広げて自然乾燥させます。できたハーブティーは工房で箱詰めされて、日本へと旅立ちます。
ハーブティーとジャムをつくる、
ケニアの「メル・ハーブ」
ピープルツリーのハーブティーやジャムをつくっているメル・ハーブは、1985年にケニアのメル地方で安全な飲み水と生活用水をひくために計画された「ングル・ガキルエ ウォーター プロジェクト」(NGWP)がもともとの始まり。ケゼノ川とその支流から水を引き、土地の高低差と水圧だけで供給する、エコロジカルな灌漑(かんがい)設備を利用しています。この灌漑プロジェクトの運営資金と、地域の人びとの仕事と安定した生活をつくるために始めたのが、メル・ハーブです。フルーツやハーブを栽培し、ジャムやハーブティーに加工して販売しています。現在、236世帯中の66%がオーガニックで栽培。残りの34%も有機農業へ転換中です。
オーガニック栽培のノウハウも水も、
みんなで分かち合う
メル・ハーブではデモファーマーと呼ばれるリーダーが試験的に作物を育て、そのノウハウやオーガニック栽培の方法を伝えています。虫害にあいやすいカモミールのまわりにレモングラスを植えて虫除け効果を得たり、輪作を取り入れて土壌の栄養を保ったり、有機肥料のつくり方を教えたりするなど、さまざまなアドバイスで収穫量を増やしています。ほかにも貯水タンクを配布して定期的に水を配ることで、何キロも先の川まで水を汲みに行く必要がなくなりました。