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記事: 児童労働をなくすためにできること
~今日は「児童労働反対世界デー」~

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児童労働をなくすためにできること
~今日は「児童労働反対世界デー」~

今日6月12日はILO(国際労働機関)が定めた「児童労働反対世界デー」。世界の目を児童労働に向け、児童労働を撲滅する必要性を世界に訴えるために制定されました。
いま世界で1億5200万人、つまり子どもの10人に1人が義務教育を妨げる労働や危険で有害な労働に就いています。このような児童労働を2025年までになくすことは、国連で合意されたSDGs(持続可能な開発目標)の指標のひとつにも掲げられています。

児童労働ゼロを達成するために、私たちができることはたくさんあります。
まずはどういうことが起きているのか、何が原因なのかを知り、周りの人に話す。
キャンペーンやイベントに参加して、賛同の輪を広げる。

そして、児童労働をなくすために活動している組織を応援することで、子どもたちが教育を受け健全な環境で育つよう支援することができます。

今日はグローバル・ヴィレッジ/ピープルツリーが長年パートナーとして共に働いてきたインドと日本の団体の活動を紹介します。

タラ・プロジェクト(インド)

ピープルツリーにアクセサリーやパレワストーン製品を届けてくれるタラ・プロジェクトは、1960年代後半に教育者やソーシャル・ワーカーの有志が貧困層の人びとの生活向上のために立ち上げた組織です。以来50年以上に渡ってインド北部の手工芸生産グループの立ち上げから製品づくり、販売を支援しており、現在500名あまりの職人がアクセサリーや石細工の製品づくりを通して収入を得ています。

また、家族を支えるためやむなく児童労働に従事する子どもたちが少しでも教育を受けられるよう、8 ヵ所の教育センターを運営しています。雇用主とも交渉してセンターに通えるようになった子どもたちは現在900名にのぼっています。

タラ・プロジェクトが運営するアグラの教育センターで文房具やおもちゃを受け取る子どもたち

タラ・プロジェクト代表のムーン・シャルマさんから、最近の活動を伝えるレポートが届きました。

「北部アグラの活動地域で100家族に聞き取り調査を行ったところ、310人の子どものうち80人もが学校に通っていないことが分かりました。その理由として、家が貧しいこと、教育の大切さが認識されていないことが挙げられます。

貧困地域では大人の大半が学校に通ったことがなく読み書きができません。その日の生活に手いっぱいで、子どもの教育のことまで頭が回らないのです。子ども、特に女の子が学校からドロップアウトしても大したことではないと考えるため、中退した子どもが再び学校に戻ることはありません。安定した仕事がなく危険な作業に就いている父親が結核やぜんそくにかかり、高額な医療費がさらに家計を圧迫しています。

インドでは子どもが教育を受ける権利が憲法で定められており義務教育は無償ですが、貧困地域の子どもたちが学校に行けない理由は様々です。例えばある地域では、公立の学校が高速道路の反対側にあって通学が危険という理由で親たちが子どもを学校に行かせていませんでした。近くに私立の学校がありますが、費用がかかるためあきらめていたのです。

タラ・プロジェクトでは、ソーシャルワーカー、教師、親の三者によるミーティングを時折開催しています。親たちにタラ・プロジェクトが運営する教育センターに足を運んでもらい、彼らの暮らしぶりを聞いたり、児童労働のこと、男女平等や女の子の教育のたいせつさなどについて話をします。少しずつ親の意識が変わってくると、公立の学校に戻るか、タラ・プロジェクトの教育センターに定期的に通うことを勧めています。私立校に通うためのスポンサー制度も設けています。三者で私立校に掛け合って、学費を30~50%免除する制度を設けてもらえたこともありました。

児童労働反対世界デーなどの機会をとらえてイベントやミーティングを行い、子どもたちやその親に、子どもの権利について学んでもらっています。こうした活動を通じて教育についての関心が高まり、児童労働から抜け出す子どもたちも増えています。ゆっくりではありますが、続けることが子どもたちのよりよい未来につながると信じています」

ピープルツリーは1996年からタラ・プロジェクトと共にアクセサリーや石細工の商品開発を行い、日本で販売することで生産者の人びとの収入の機会を守っています。さらに2015年からは、アクセサリーの売上に応じた寄付によって教育センターの活動を支えています。

タラ・プロジェクトのアクセサリーをお買い上げいただくことで、活動の支援に参加することができます。

タラ・プロジェクトのアクセサリーはこちら

 

認定NPO法人ACE(エース)(日本)



ACEは、代表の岩附由香さんをはじめとする学生5人が1997年に立ち上げた市民社会組織です。インドのコットン産業、ガーナのカカオ産業に焦点をあて現地で児童労働撤廃プロジェクトを実施。日本では消費者教育を通じた児童労働問題の啓発、エシカルな消費とビジネスの推進、アドボカシーなどを行っています。

これまでに、インドとガーナの23の村で1884人の子どもを児童労働から解放し、インドのコットン生産地では子どもの代わりに大人が雇われるようになるなどの成果がありました。

グローバル・ヴィレッジ/ピープルツリーはACEと連携して、カカオやコットンの栽培地での児童労働の問題を伝えフェアトレード・チョコレートやオーガニックコットンを広めるキャンペーンを行ってきました。

ACEは現在、現地支援やアドボカシー活動、企業・経営者への働きかけを強化する資金を集めるため、「児童労働ゼロの世界へ!ACE SDGsプロジェクト2019」というクラウドファンディングを実施中です。

クラウドファンディングのページはこちら

 

タラ・プロジェクトやACEの活動を支えることで、「児童労働を2025年までにゼロに」を一緒に実現していきましょう。

「一緒に児童労働をなくそう」という意思を示すレッドカードを掲げる、ピープルツリー社長のミニー・ジェームズ(前列左から2番目)とグローバル・ヴィレッジ代表の胤森なお子(前列左)。ACE、テキスタイル・エクスチェンジと共催した「世界フェアトレード・デー」のイベント会場にて。




この記事は、ピープルツリーの母体NGO「グローバル・ヴィレッジ」が作成しました。

グローバル・ヴィレッジは、イベントやキャンペーンを通じて貿易や消費社会の問題点を伝え、途上国の立場の弱い人々の自立を支援 するフェアトレードの普及・促進を行うと共に、生産国の教育・環境プロジェクトの支援を通じて生産者をサポートしています。

こういった活動を安定して継続的に行うため、会員となって活動を支えてくださる方を募集しています。詳しくは、こちら