いよいよ8月から研修スタート!
~オンラインとリアルで着々と準備中~
2021年3月、クラウドファンディングを通じて多くのみなさまのご支援を受け始まった、バングラデシュの女性のエンパワメントを目指す研修プロジェクト。コロナ禍の影響もあって当初の予定よりもゆっくりと時間をかけて準備を進めてきましたが、いよいよ大詰めです。
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この研修プロジェクトの目的は、女性がリーダーシップを発揮できるような性差別のない仕事環境を整えることで、フェアトレードの発展、ひいてはものづくりに関わるバングラデシュの女性たちの能力と地位の向上につなげること。ピープルツリーの生産者パートナーでもある6つの現地フェアトレード団体が参加します。
8月からの実施に向けて、あらためて3月からの経緯をお伝えします。
現地訪問して、現状を把握するところから
まず始めに行ったのが、それぞれの団体の現状とニーズを確認するための「ベースライン・アセスメント(現状把握の調査)」。
研修の実務を担う開発NGO「クリスチャン・エイド」、バングラデシュのフェアトレード団体のネットワークである「ECOTA」、進行管理や手続きを担うフェアトレード団体「デュー・クラフト」の担当者から成るプロジェクトチームが、6団体の生産現場を訪れてヒアリングしました。
それぞれ自分の組織内で日常の仕事を持つ多忙なメンバーのスケジュール調整だけでも、何度かやり直しに。2月下旬から3月下旬の1か月間で5団体の調査を終えた後、4月末からのイスラム教の大きな祝日をはさんで、最後の6団体目の訪問を終えたのは5月末のことでした。
長引くスケジュールにやきもきしていましたが、調査を終えるごとに「素晴らしい交流だった!」と送られてくるヒアリング風景の写真に、プロジェクトチームのメンバーの熱意があふれていました。ゆっくりではあるけれど、プロジェクトが着実に進んでいることが見て取れました。
ハンドプリントの衣料品などをピープルツリーに届けてくれる「クムディニ・ハンディクラフト」への訪問。マネージャーのキショアさん(奥の右側)にヒアリングするプロジェクトメンバーたち(3月12日)
竹細工の小物をつくる「デュー・クラフト」の生産現場を訪れ、竹の加工を体験するクリスチャン・エイドのファラナさん(中央)(3月30日)
最後の訪問先となった「タナパラ・スワローズ」で、女性職人達にプロジェクトの説明をするチームメンバー(5月28日)
タナパラ・スワローズのはた織り工房で、織り作業を体験するECOTAのスワパンさん(5月28日)
オンライン会議で相互理解を深める
6月20日、今後の進め方を確認するためにプロジェクトチームのメンバーとオンラインミーティングを行いました。
オンライン会議に参加したメンバー。ECOTA理事長のスワパン・ダスさん(上段左端)、デュー・クラフト代表のシャー・アブダス・サラームさん(上から2段目、左から2人目)、クリスチャン・エイドのファラナ・アフロスさん(その右)、プロジェクト・コーディネータのゴラム・モストファさん(その右)ら(6月20日)
クリスチャン・エイドのファラナさん:
「フェアトレードのすばらしい活動を知ることができて、とても感動しました」
ECOTAのスワパンさん:
「私達はフェアトレードの事業を運営することに精一杯で、ジェンダー平等が実現できているかをちゃんと検証したことがありませんでした。クリスチャン・エイド・チームから、ジェンダーの視点で活動を評価することを学んで、目を開かされました」
活動の分野や目的が異なる団体同士の協働で、それぞれに実りを得たようです。
スピード感も大切ですが、話し合いを重ね違いを理解しながら、それぞれの良さを生かしていくことで、より充実したプロジェクトになりそうだと期待が高まりました。
実情に合わせて計画の修正
今後、クリスチャン・エイド・チームがヒアリング結果を元に研修内容の提案をまとめ、8月から研修が始まる予定です。
当初の計画では、まず6団体から各2名のマネジメントメンバーが3日間、次いで現場で働く生産者の中から選ばれた教育係24名が5日間、首都ダッカに集まって研修を行う予定でした。
しかし今回の訪問を踏まえ、参加者の移動や宿泊の負担を考え、今回の調査訪問と同様、研修担当チームが6団体それぞれを訪れて実施するようプランを変更することになりました。
これにより、6団体を順次訪問して研修を終えるのに4~5か月の期間が必要となるため、プロジェクト期間は2023年6月まで延長されました。
当初は半年程度を見込んでいたプロジェクト期間が16か月にも及ぶことになりますが、研修をより実りあるものにするための前向きな対応です。クリスチャン・エイドが、この期間延長に応じてスタッフを確保するための追加予算を承認したとの嬉しい報告もありました。
ダッカでの決起集会
オンライン会議の翌週6月25日には、バングラデシュ国内のプロジェクトチームと6団体の代表によるリアル会合が首都ダッカで開かれ、その写真が送られてきました。
左から時計回りに、モンジュ・ハクさん(アーティザン・ハット)、スワパン・ダスさん(ECOTA/プロクリティ)、マヘヌール・チョウドリーさん(クリスチャン・エイド)、ファラナ・アフロスさん(同)、シャー・アブダス・サラームさん(デュー・クラフト)、サントゥ・ハクさん(タナパラ・スワローズ)、キショア・ダッタさん(クムディニ・ハンディクラフト)、ゴラム・モストファさん(プロジェクト・コーディネーター)
ダッカまで電車やバスで6時間かけて来なければならないメンバーもおり、さらに昨年はコロナ禍での制約もあったため、6団体の代表全員とプロジェクトチームがリアルに一同に会してミーティングを行うのは、実は初めてのこと。
みなの表情に、ようやく顔を合わせることができた安堵と、これからプロジェクトを本格化させる意気込みが表れているように感じました。
ミーティングでは、8月からの研修開始に向けて、スケジュールやそれぞれの費用負担などについて、突っ込んだ話し合いができたとのこと。
一歩一歩、着実に前に進んでいるプロジェクトが、現地の女性職人たちの立場を向上させるだけでなく、関わるすべての人々にポジティブな変化をもたらすものになることを目指し、これからも応援し、ご報告を続けていきます。
グローバル・ヴィレッジ
代表 胤森なお子
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この研修プロジェクトの目的は、女性がリーダーシップを発揮できるような性差別のない仕事環境を整えることで、フェアトレードの発展、ひいてはものづくりに関わるバングラデシュの女性たちの能力と地位の向上につなげること。ピープルツリーの生産者パートナーでもある6つの現地フェアトレード団体が参加します。
8月からの実施に向けて、あらためて3月からの経緯をお伝えします。
現地訪問して、現状を把握するところから
まず始めに行ったのが、それぞれの団体の現状とニーズを確認するための「ベースライン・アセスメント(現状把握の調査)」。
研修の実務を担う開発NGO「クリスチャン・エイド」、バングラデシュのフェアトレード団体のネットワークである「ECOTA」、進行管理や手続きを担うフェアトレード団体「デュー・クラフト」の担当者から成るプロジェクトチームが、6団体の生産現場を訪れてヒアリングしました。
それぞれ自分の組織内で日常の仕事を持つ多忙なメンバーのスケジュール調整だけでも、何度かやり直しに。2月下旬から3月下旬の1か月間で5団体の調査を終えた後、4月末からのイスラム教の大きな祝日をはさんで、最後の6団体目の訪問を終えたのは5月末のことでした。
長引くスケジュールにやきもきしていましたが、調査を終えるごとに「素晴らしい交流だった!」と送られてくるヒアリング風景の写真に、プロジェクトチームのメンバーの熱意があふれていました。ゆっくりではあるけれど、プロジェクトが着実に進んでいることが見て取れました。
ハンドプリントの衣料品などをピープルツリーに届けてくれる「クムディニ・ハンディクラフト」への訪問。マネージャーのキショアさん(奥の右側)にヒアリングするプロジェクトメンバーたち(3月12日)
竹細工の小物をつくる「デュー・クラフト」の生産現場を訪れ、竹の加工を体験するクリスチャン・エイドのファラナさん(中央)(3月30日)
最後の訪問先となった「タナパラ・スワローズ」で、女性職人達にプロジェクトの説明をするチームメンバー(5月28日)
タナパラ・スワローズのはた織り工房で、織り作業を体験するECOTAのスワパンさん(5月28日)
オンライン会議で相互理解を深める
6月20日、今後の進め方を確認するためにプロジェクトチームのメンバーとオンラインミーティングを行いました。
オンライン会議に参加したメンバー。ECOTA理事長のスワパン・ダスさん(上段左端)、デュー・クラフト代表のシャー・アブダス・サラームさん(上から2段目、左から2人目)、クリスチャン・エイドのファラナ・アフロスさん(その右)、プロジェクト・コーディネータのゴラム・モストファさん(その右)ら(6月20日)
クリスチャン・エイドのファラナさん:
「フェアトレードのすばらしい活動を知ることができて、とても感動しました」
ECOTAのスワパンさん:
「私達はフェアトレードの事業を運営することに精一杯で、ジェンダー平等が実現できているかをちゃんと検証したことがありませんでした。クリスチャン・エイド・チームから、ジェンダーの視点で活動を評価することを学んで、目を開かされました」
活動の分野や目的が異なる団体同士の協働で、それぞれに実りを得たようです。
スピード感も大切ですが、話し合いを重ね違いを理解しながら、それぞれの良さを生かしていくことで、より充実したプロジェクトになりそうだと期待が高まりました。
実情に合わせて計画の修正
今後、クリスチャン・エイド・チームがヒアリング結果を元に研修内容の提案をまとめ、8月から研修が始まる予定です。
当初の計画では、まず6団体から各2名のマネジメントメンバーが3日間、次いで現場で働く生産者の中から選ばれた教育係24名が5日間、首都ダッカに集まって研修を行う予定でした。
しかし今回の訪問を踏まえ、参加者の移動や宿泊の負担を考え、今回の調査訪問と同様、研修担当チームが6団体それぞれを訪れて実施するようプランを変更することになりました。
これにより、6団体を順次訪問して研修を終えるのに4~5か月の期間が必要となるため、プロジェクト期間は2023年6月まで延長されました。
当初は半年程度を見込んでいたプロジェクト期間が16か月にも及ぶことになりますが、研修をより実りあるものにするための前向きな対応です。クリスチャン・エイドが、この期間延長に応じてスタッフを確保するための追加予算を承認したとの嬉しい報告もありました。
ダッカでの決起集会
オンライン会議の翌週6月25日には、バングラデシュ国内のプロジェクトチームと6団体の代表によるリアル会合が首都ダッカで開かれ、その写真が送られてきました。
左から時計回りに、モンジュ・ハクさん(アーティザン・ハット)、スワパン・ダスさん(ECOTA/プロクリティ)、マヘヌール・チョウドリーさん(クリスチャン・エイド)、ファラナ・アフロスさん(同)、シャー・アブダス・サラームさん(デュー・クラフト)、サントゥ・ハクさん(タナパラ・スワローズ)、キショア・ダッタさん(クムディニ・ハンディクラフト)、ゴラム・モストファさん(プロジェクト・コーディネーター)
ダッカまで電車やバスで6時間かけて来なければならないメンバーもおり、さらに昨年はコロナ禍での制約もあったため、6団体の代表全員とプロジェクトチームがリアルに一同に会してミーティングを行うのは、実は初めてのこと。
みなの表情に、ようやく顔を合わせることができた安堵と、これからプロジェクトを本格化させる意気込みが表れているように感じました。
ミーティングでは、8月からの研修開始に向けて、スケジュールやそれぞれの費用負担などについて、突っ込んだ話し合いができたとのこと。
一歩一歩、着実に前に進んでいるプロジェクトが、現地の女性職人たちの立場を向上させるだけでなく、関わるすべての人々にポジティブな変化をもたらすものになることを目指し、これからも応援し、ご報告を続けていきます。
グローバル・ヴィレッジ
代表 胤森なお子