インドのフェアトレードの重鎮 ムーンさんとの7日間
ディレクターのタネモリです。
11月18日から24日まで、インドの生産者パートナー「タラ・プロジェクト」からお招きしたムーン・シャルマさんと一緒に、取扱店やプレスの方々、ショップのお客さま向けなど合計6回のワークショップを開いて、タラ・プロジェクトの活動とフェアトレードの意味についてお話しました。
「タラ・プロジェクト」は、世界のフェアトレード運動の先駆者ともいえる団体です。1960年代後半、ムーンさんのお父さんであるシャム・シャルマ博士を始めとする教育者やソーシャル・ワーカーの有志が貧困層の人びとの生活向上のために職業訓練を始めた活動が出発点となって、各地で自発的に手工芸生産のグループが立ち上げられ、500名あまりの職人がアクセサリーや石細工の製品づくりを通して収入を得ています。
タラ・プロジェクトでつくられたアクセサリー
ビーズのアクセサリーを作るタラ・プロジェクトの女性たち
タラ・プロジェクトの活動は、製品作りにとどまりません。いまだに児童労働や劣悪な労働環境があたりまえのインドの手工芸生産現場の悪習を改めようと、さまざまな社会的活動を行っています。
例えば、学校に通わずに一日中作業所で働く子どもたちに教育の機会をつくるため、5ヵ所の教育センターを運営して1,100名の子どもたちに授業を行っています。
子どもたちが毎日数時間でも仕事を離れて授業を受けられるよう、タラ・プロジェクトのソーシャル・ワーカーたちが作業所の経営者や子どもたちの親をねばり強く説得しているのです。ムーンさんは言います。「児童労働の最大の要因は貧困ですが、教育の大切さを大人が理解していないことがそれをさらに加速させています。教育を受けた親は、子どもを学校に行かせるようになります」。
インドでは少なくとも500万人(2012年インド政府公式発表)の子どもたちが手工芸産業や農業の現場で働いている
(写真提供:タラ・プロジェクト)
また、就業の機会が少ない女性たちには、縫製などの実務的な職業訓練を行い、将来家庭に入っても仕事ができるように支援しています。読み書きや技能を身につけた女性たちは、家で親や夫の言いなりになることしか知らなかった生活から、自ら収入を得て思ったことを発言し、家庭や職場で物事の決定にも参加できるようになるのだそうです。
「フェアトレードとは単に売買において公正な取引をすることではありません。立場の弱い人びとの生活を変えるためには、教育、技術力、作業環境の改善など包括的なアプローチが必要です。それを実践しているのがフェアトレードなのです」。ムーンさんの言葉には、40年以上フェアトレードの現場で草の根の活動を実践し、実際に貧困に苦しむ女性や子どもたちと接しながら一緒に問題解決に取り組んできた実感がこもっています。
ワークショップの一つで参加者へのメッセージを求められたムーンさんは、「みなさんは消費者として、フェアトレード運動の中で重要な役割を担っています。ぜひ、『責任ある消費者』になってください」と言葉に力を込めました。フェアトレードは、弱者のための善行というよりむしろ、自分の行動やお金の使い方に責任を持つという消費行動の変革に向けた運動でもあるのだと、つくづく感じました。
ムーンさんの来日は3回目。2002年の前回来日から10年以上経った今もなお、変わらぬ情熱を持ってフェアトレードの前線で活躍する彼女のエネルギーに触れ、このようなすばらしい活動家と一緒に世界を変えるという共通の理念を持って仕事ができることに、あらためて感謝。タラ・プロジェクトのアクセサリーや小物を、もっともっと多くの人に紹介しなければ!と気持ちを新たにしました。
商品についてご意見やアイディアがあったら、ぜひお知らせください。よりよい商品をつくることでさらに多くの人に選んでいただけるように、タラ・プロジェクトと共に一層の向上を目指します。
忙しい滞在の合間に訪れた、名古屋市の古川美術館で日本庭園を楽しんだムーンさん(左)とタネモリ
ピープル・ツリー モザイクモール港北店を訪れたムーンさん(中央)。
スタッフとタラ・プロジェクトの製品と共に
「タラ・プロジェクト」のアイテムはこちら。
11月18日から24日まで、インドの生産者パートナー「タラ・プロジェクト」からお招きしたムーン・シャルマさんと一緒に、取扱店やプレスの方々、ショップのお客さま向けなど合計6回のワークショップを開いて、タラ・プロジェクトの活動とフェアトレードの意味についてお話しました。
「タラ・プロジェクト」は、世界のフェアトレード運動の先駆者ともいえる団体です。1960年代後半、ムーンさんのお父さんであるシャム・シャルマ博士を始めとする教育者やソーシャル・ワーカーの有志が貧困層の人びとの生活向上のために職業訓練を始めた活動が出発点となって、各地で自発的に手工芸生産のグループが立ち上げられ、500名あまりの職人がアクセサリーや石細工の製品づくりを通して収入を得ています。
タラ・プロジェクトでつくられたアクセサリー
ビーズのアクセサリーを作るタラ・プロジェクトの女性たち
タラ・プロジェクトの活動は、製品作りにとどまりません。いまだに児童労働や劣悪な労働環境があたりまえのインドの手工芸生産現場の悪習を改めようと、さまざまな社会的活動を行っています。
例えば、学校に通わずに一日中作業所で働く子どもたちに教育の機会をつくるため、5ヵ所の教育センターを運営して1,100名の子どもたちに授業を行っています。
子どもたちが毎日数時間でも仕事を離れて授業を受けられるよう、タラ・プロジェクトのソーシャル・ワーカーたちが作業所の経営者や子どもたちの親をねばり強く説得しているのです。ムーンさんは言います。「児童労働の最大の要因は貧困ですが、教育の大切さを大人が理解していないことがそれをさらに加速させています。教育を受けた親は、子どもを学校に行かせるようになります」。
インドでは少なくとも500万人(2012年インド政府公式発表)の子どもたちが手工芸産業や農業の現場で働いている
(写真提供:タラ・プロジェクト)
また、就業の機会が少ない女性たちには、縫製などの実務的な職業訓練を行い、将来家庭に入っても仕事ができるように支援しています。読み書きや技能を身につけた女性たちは、家で親や夫の言いなりになることしか知らなかった生活から、自ら収入を得て思ったことを発言し、家庭や職場で物事の決定にも参加できるようになるのだそうです。
「フェアトレードとは単に売買において公正な取引をすることではありません。立場の弱い人びとの生活を変えるためには、教育、技術力、作業環境の改善など包括的なアプローチが必要です。それを実践しているのがフェアトレードなのです」。ムーンさんの言葉には、40年以上フェアトレードの現場で草の根の活動を実践し、実際に貧困に苦しむ女性や子どもたちと接しながら一緒に問題解決に取り組んできた実感がこもっています。
ワークショップの一つで参加者へのメッセージを求められたムーンさんは、「みなさんは消費者として、フェアトレード運動の中で重要な役割を担っています。ぜひ、『責任ある消費者』になってください」と言葉に力を込めました。フェアトレードは、弱者のための善行というよりむしろ、自分の行動やお金の使い方に責任を持つという消費行動の変革に向けた運動でもあるのだと、つくづく感じました。
ムーンさんの来日は3回目。2002年の前回来日から10年以上経った今もなお、変わらぬ情熱を持ってフェアトレードの前線で活躍する彼女のエネルギーに触れ、このようなすばらしい活動家と一緒に世界を変えるという共通の理念を持って仕事ができることに、あらためて感謝。タラ・プロジェクトのアクセサリーや小物を、もっともっと多くの人に紹介しなければ!と気持ちを新たにしました。
商品についてご意見やアイディアがあったら、ぜひお知らせください。よりよい商品をつくることでさらに多くの人に選んでいただけるように、タラ・プロジェクトと共に一層の向上を目指します。
忙しい滞在の合間に訪れた、名古屋市の古川美術館で日本庭園を楽しんだムーンさん(左)とタネモリ
ピープル・ツリー モザイクモール港北店を訪れたムーンさん(中央)。
スタッフとタラ・プロジェクトの製品と共に
「タラ・プロジェクト」のアイテムはこちら。