Time Out Tokyoコラボレーション連載「ボーダレスな人びと」第2回
ライフスタイルマガジン「Time Out Tokyo(タイムアウト東京)」とピープル・ツリーのコラボレーション連載第2回目は、スタイリストのアシスタントから独学でイラストを学び、イラストレーターとして活躍の場を広げる榎本マリコさん。転機をどうチャンスに変えたのか、そんな彼女のボーダレスな仕事観を聞いてみた。
榎本マリコ(イラストレーター)
-絵を描くようになったきっかけは?
曾祖父が日本画家で、家に屏風や絵が普通に飾ってある環境で育ちました。絵が好きで、幼稚園でも「ずっと絵を描いている子です」って言われてました。近所に画家の先生が住んでいて、描いた絵を持っていくと、おこづかいをくれたからっていうのもあるかもしれないですね(笑)。
その頃は自分が絵描きになるなんて、まったく思っていなかったんです。将来はイヌ博士になりたいと思っていましたから。動物がすごく好きで。
-本格的に絵を描きはじめたのはいつですか?
ファッションの専門学校を出て、スタイリストを目指していた時期もありました。
アーティストとの撮影が多いスタイリストさんのアシスタントをやらせていただいていて。ある時、絵描きの方が壁に絵を描いて、その前にモデルを立たせるという撮影があったんです。既成のものを集めてひとつのビジュアルをつくるのではなく、一から自分で世界観をつくるおもしろさってこれだって思って・・・。強い刺激を受けて、いろいろ思い出しちゃったんですね。アシスタントは辞めて、ちゃんと絵を描こうと決めたんです。
-そこからの転機はいつでしたか?
最初の頃は、独学でひたすら模写、模写、模写・・・の毎日。
これが “榎本マリコの絵” というものばかり追求して、世界観がまったく追いついていなかった。
最近になってようやく、鉛筆で描こうが、絵の具で描こうが、私がつくっているんだからいいやって思えてきたんです。それと同時に、お仕事をいただいたりとか、いろいろなタイミングが重なったので、吹っ切れたというのもあります。それが正しいか正しくないかは別として、吹っ切れたことで、私の中のくさびが取れたんです。そう思えた瞬間が転機でした。
昔は、ぶれているような気がして、変わっちゃいけないと思っていたんですが、それは違うと思います。年を重ねるごとに、どんどん変わっていきたいですね。
-たくさん人物画を描かれている印象があります。
そうですね、人も好きです。それが東京に住んでいる理由かもしれません。東京って本当にボーダレスだと思いませんか。そこが魅力で人が集まっているし、私も暮らしているんです。
人が多くてごみごみしてて、イヤだなと思うこともたくさんありますが、遠出して帰ってくると、不思議とほっとするんですよね。
私の絵は、そんな東京にいる人びとから、たくさんのインスピレーションをもらっています。
電車の中で、携帯をいじってる女の子が、ふと画面から目をそらして、はーってした表情とか・・・。あっ!いただき!って。
あとは、急にこの子を描きたいっていうのが頭の中に浮かぶんです。会ったこともない人なのに、鮮明に性格とか生まれた国とか名前とかもイメージできて。忘れないように急いで帰って、描きながらそのイメージをかたち作っています。
これからももっといろいろ描いていきたい。小説の挿絵とか、映像とか、プロダクトをつくったりとか・・・。やっていないことがまだまだたくさんあります。これは、おばあちゃんになってからでもいいと思っているのですが、宝物のような画集は出したいですね。
【The days...インタビュー】
-ピープル・ツリー2013年春夏カタログのイラストを描いていただきましたが、依頼が来た時はどう思われましたか?
以前からピープル・ツリーの取り組みは、少しですが知っていたので単純にうれしかったです。誌面もいわゆる通販カタログとは違って、イラストを入れたり、クリエイティビティを感じました。
-ピープル・ツリーの印象は?
フェアトレードという社会へのアプローチをされていると知り、硬いイメージを持ってしまいがちですが、商品もとても洗練されているし、もっとカジュアルに、身近に私たちも参加できることが素晴らしいと思いました。
多くの人に考えるきっかけを与えてくれる、数少ない会社だと思います。
榎本マリコ Mariko Enomoto
1982年、埼玉県に生まれる。
日本画家であった曾祖父の影響もあり、自然と絵のある環境で育つ。
服飾専門学校を卒業後、独学で絵やアニメーションでの表現活動を始める。
雑誌、アパレル、CDジャケットや舞台、映画の劇中画、ポスター等も手がける。
今秋、個展を開催する予定。
http://www.mrkenmt.com
衣装協力:
ピープル・ツリー
オーガニックコットン・ボーダー・プリントTシャツ(イエロー)
/products/168114/
About Time Out Tokyo
タイムアウト東京は、街の探索と発見の楽しみを日本語、英語のバイリンガルで伝える“お出かけ促進メディア”。ヴニュー、イベント、特集記事、ブログなどのコンテンツをデイリーで発信しています。
http://www.timeout.jp/
榎本マリコ(イラストレーター)
-絵を描くようになったきっかけは?
曾祖父が日本画家で、家に屏風や絵が普通に飾ってある環境で育ちました。絵が好きで、幼稚園でも「ずっと絵を描いている子です」って言われてました。近所に画家の先生が住んでいて、描いた絵を持っていくと、おこづかいをくれたからっていうのもあるかもしれないですね(笑)。
その頃は自分が絵描きになるなんて、まったく思っていなかったんです。将来はイヌ博士になりたいと思っていましたから。動物がすごく好きで。
-本格的に絵を描きはじめたのはいつですか?
ファッションの専門学校を出て、スタイリストを目指していた時期もありました。
アーティストとの撮影が多いスタイリストさんのアシスタントをやらせていただいていて。ある時、絵描きの方が壁に絵を描いて、その前にモデルを立たせるという撮影があったんです。既成のものを集めてひとつのビジュアルをつくるのではなく、一から自分で世界観をつくるおもしろさってこれだって思って・・・。強い刺激を受けて、いろいろ思い出しちゃったんですね。アシスタントは辞めて、ちゃんと絵を描こうと決めたんです。
-そこからの転機はいつでしたか?
最初の頃は、独学でひたすら模写、模写、模写・・・の毎日。
これが “榎本マリコの絵” というものばかり追求して、世界観がまったく追いついていなかった。
最近になってようやく、鉛筆で描こうが、絵の具で描こうが、私がつくっているんだからいいやって思えてきたんです。それと同時に、お仕事をいただいたりとか、いろいろなタイミングが重なったので、吹っ切れたというのもあります。それが正しいか正しくないかは別として、吹っ切れたことで、私の中のくさびが取れたんです。そう思えた瞬間が転機でした。
昔は、ぶれているような気がして、変わっちゃいけないと思っていたんですが、それは違うと思います。年を重ねるごとに、どんどん変わっていきたいですね。
-たくさん人物画を描かれている印象があります。
そうですね、人も好きです。それが東京に住んでいる理由かもしれません。東京って本当にボーダレスだと思いませんか。そこが魅力で人が集まっているし、私も暮らしているんです。
人が多くてごみごみしてて、イヤだなと思うこともたくさんありますが、遠出して帰ってくると、不思議とほっとするんですよね。
私の絵は、そんな東京にいる人びとから、たくさんのインスピレーションをもらっています。
電車の中で、携帯をいじってる女の子が、ふと画面から目をそらして、はーってした表情とか・・・。あっ!いただき!って。
あとは、急にこの子を描きたいっていうのが頭の中に浮かぶんです。会ったこともない人なのに、鮮明に性格とか生まれた国とか名前とかもイメージできて。忘れないように急いで帰って、描きながらそのイメージをかたち作っています。
これからももっといろいろ描いていきたい。小説の挿絵とか、映像とか、プロダクトをつくったりとか・・・。やっていないことがまだまだたくさんあります。これは、おばあちゃんになってからでもいいと思っているのですが、宝物のような画集は出したいですね。
【The days...インタビュー】
-ピープル・ツリー2013年春夏カタログのイラストを描いていただきましたが、依頼が来た時はどう思われましたか?
以前からピープル・ツリーの取り組みは、少しですが知っていたので単純にうれしかったです。誌面もいわゆる通販カタログとは違って、イラストを入れたり、クリエイティビティを感じました。
-ピープル・ツリーの印象は?
フェアトレードという社会へのアプローチをされていると知り、硬いイメージを持ってしまいがちですが、商品もとても洗練されているし、もっとカジュアルに、身近に私たちも参加できることが素晴らしいと思いました。
多くの人に考えるきっかけを与えてくれる、数少ない会社だと思います。
榎本マリコ Mariko Enomoto
1982年、埼玉県に生まれる。
日本画家であった曾祖父の影響もあり、自然と絵のある環境で育つ。
服飾専門学校を卒業後、独学で絵やアニメーションでの表現活動を始める。
雑誌、アパレル、CDジャケットや舞台、映画の劇中画、ポスター等も手がける。
今秋、個展を開催する予定。
http://www.mrkenmt.com
衣装協力:
ピープル・ツリー
オーガニックコットン・ボーダー・プリントTシャツ(イエロー)
/products/168114/
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