フェアトレードのおしごと ~その2 仕入・生産チーム編~
フェアトレードのおしごと」インタビュー第2弾は、
「仕入れ・生産」チームのご紹介です!
ピープル・ツリーでは12ヵ国約140団体に渡り、さまざまな生産者と
一緒にものづくりをしています。限られたスタッフで対応するため、
それぞれが生産者窓口をいくつも掛け持ちし、日々電話やメールで密に
生産者とやり取りをしています。
仕入れ生産チーム。左上から時計回りに、ユウコ、エリ、ジュンコ、ヨシコ
「フェアトレードのおしごと」Vol.1 でもお伝えしましたが、
ピープル・ツリーの商品は、デザイナーが最初に企画をしてから、
最終的に製品が入荷して販売が始まるまで
約1年半~2年の時間をかけてじっくりと生産しています。
新しいコレクションの企画が始まって仕入れ・生産チームがまず行うのは、
デザイナーが企画した洋服や雑貨のサンプルを生産者につくってもらい、
その商品が発注された分、きちんと生産できるかどうかを確認すること。
また、あまりに値段が高くなりすぎて、お客さまが買いづらくならないか、
デザインや原料などを調整して、商品代金のシミュレーションもします。
スカイプでやり取りするエリ
できあがったサンプルは社内で検討を行い、
全国のお取扱店へ向けた展示会でお披露目します。
そこで、大まかな生産数を決めて生産者へ連絡します。
社内や展示会でお客さまから上がった意見を
その都度、商品へ反映させるため、いちばん初めに企画された
サンプルからデザインが変わっていくことがあります。
最終的なデザインが確定したら、そのサンプルをもとに
発注した分の商品をつくるための手配や連絡を取っています。
商品がすべて完成したら、船便で日本へ。
船便は二酸化炭素の排出量が少なく、環境負荷が少ない輸送手段です。
約1ヵ月半の時間をかけて日本に商品が到着したら
ようやく販売開始……ではありません! 生産地でも全品検品していますが、
さらにもう一度、すべての商品を抜き取り検品(※)します。
(※ 全商品、1アイテムにつき数点をランダムに抜き取り、検品すること)
私たち日本のスタッフでも、商品の品質を確認して初めて、
お客さまへ商品の発送ができます。
仕入れ・生産チームでは、衣料品の生産者の元へは半年に1回、
雑貨の生産者の元には1年に1回、訪れるようにしています。
日本のスタッフの代わりに、姉妹会社のピープル・ツリーUKのスタッフや
代表のサフィア・ミニーが訪問することもあります。
こんな自然豊かな場所で活動しているのは、バングラデシュの「タナパラ・スワローズ」という生産者団体
現地の生産者グループは、私たちのような国外の団体とやり取りしているオフィスのほかに、
実際の製品をつくる小さなグループをいくつか抱えています。
現地へ行った際には、実際に商品を生産している現場を訪れ、
製品を仕上げてくれている職人たちに会います。
とても奥地にあって訪問ができない場合を除いて、
会ったことがない生産者の元をなるべく訪れるようにして、
顔の見える生産を目指しています。
バングラデシュの生産者「アーティザンハット」で
商品の縫製について報告をする仕入れ・生産チームマネージャーのマサコ
不具合があってお客さまから返品いただいた商品も持っていき、
直接生産者に見てもらうようにしています。
商品の報告だけでなく、現地でデザイナーが縫い方の指導をすることもあります。
そうすることで、日本の市場で求められる品質を実感してもらい、
技術向上・意識向上につなげていくのです。
生産者が上達していく様を見ることができるのはうれしいと語るジュンコ(左)
また、商品の値段を決める際も、生産者と対等な立場で話し合い、
お互いが納得できる点を見つけています。
コストを抑えるため、なるべく無駄は出ないよう
生地の裁断の仕方まで、ピープル・ツリーのスタッフが指導することも。
直接顔をあわせ、長い時間をともにしているからこそ
オープンな関係でいろんな課題を一緒に解決していくことができるのです。
付き合いが長い団体は10年以上も一緒にピープル・ツリーと活動しているため、
日本のお客さまのニーズをきちんと理解してくれている場合が多いですが、
やはり、文化の違いから、日々のコミュニケーションで
ストレスを感じることもあります。
バングラデシュの生産者から
「雨が降ってしまって、生地が乾かないから出荷できない!」と言われたり
また、ほかの団体でも「つくり手が祝日で帰省していていつ帰ってくるのかわからない!」と
連絡があるなど、驚かされることもしばしば。
でも最後になんとか、お客さまにご案内した納期までに
商品を仕上げて納品してくれたときには、
「よかった!」と達成感を感じるそうです。
「つくり手や環境にやさしい製品をつくっている
会社で働くということもやりがいになっている」と話すユウコ(左)と、
「商品の企画段階から、最後の販売に至るまで
一貫してみられるのがうれしい」と話すヨシコ(中央)。
「仕入れ・生産チーム」のお仕事、いかがでしたでしょうか。
ピープル・ツリーのオフィスでは、すべての部署が同じフロアで
仕事をしています。そのため、席に座っていても、いろんな部署の声が
聞こえてきますが、「仕入れ生産チーム」からは、
いつも現地の窓口担当の方と英語で話をしている声が聞こえていて、
ときには楽しそうに冗談を言ったり、
商品の出荷前の忙しい時期は、ぴりっとしていたり。
今、ちょうど夏の新作を販売中ですが、
こうやってお客さまへ無事商品をお届けできるのも、
日々現地とコミュニケーションの積み重ねの上に成り立つことだと
痛感しました。
次回は、各地で生産した商品の輸出から、
日本へ輸入するまで担当する「輸入・物流」チームのインタビューです。
お楽しみに!
「仕入れ・生産」チームのご紹介です!
仕入れ生産チームのお仕事
ピープル・ツリーでは12ヵ国約140団体に渡り、さまざまな生産者と
一緒にものづくりをしています。限られたスタッフで対応するため、
それぞれが生産者窓口をいくつも掛け持ちし、日々電話やメールで密に
生産者とやり取りをしています。
仕入れ生産チーム。左上から時計回りに、ユウコ、エリ、ジュンコ、ヨシコ
「フェアトレードのおしごと」Vol.1 でもお伝えしましたが、
ピープル・ツリーの商品は、デザイナーが最初に企画をしてから、
最終的に製品が入荷して販売が始まるまで
約1年半~2年の時間をかけてじっくりと生産しています。
新しいコレクションの企画が始まって仕入れ・生産チームがまず行うのは、
デザイナーが企画した洋服や雑貨のサンプルを生産者につくってもらい、
その商品が発注された分、きちんと生産できるかどうかを確認すること。
また、あまりに値段が高くなりすぎて、お客さまが買いづらくならないか、
デザインや原料などを調整して、商品代金のシミュレーションもします。
スカイプでやり取りするエリ
できあがったサンプルは社内で検討を行い、
全国のお取扱店へ向けた展示会でお披露目します。
そこで、大まかな生産数を決めて生産者へ連絡します。
社内や展示会でお客さまから上がった意見を
その都度、商品へ反映させるため、いちばん初めに企画された
サンプルからデザインが変わっていくことがあります。
最終的なデザインが確定したら、そのサンプルをもとに
発注した分の商品をつくるための手配や連絡を取っています。
商品がすべて完成したら、船便で日本へ。
船便は二酸化炭素の排出量が少なく、環境負荷が少ない輸送手段です。
約1ヵ月半の時間をかけて日本に商品が到着したら
ようやく販売開始……ではありません! 生産地でも全品検品していますが、
さらにもう一度、すべての商品を抜き取り検品(※)します。
(※ 全商品、1アイテムにつき数点をランダムに抜き取り、検品すること)
私たち日本のスタッフでも、商品の品質を確認して初めて、
お客さまへ商品の発送ができます。
生産者との関係
仕入れ・生産チームでは、衣料品の生産者の元へは半年に1回、
雑貨の生産者の元には1年に1回、訪れるようにしています。
日本のスタッフの代わりに、姉妹会社のピープル・ツリーUKのスタッフや
代表のサフィア・ミニーが訪問することもあります。
こんな自然豊かな場所で活動しているのは、バングラデシュの「タナパラ・スワローズ」という生産者団体
現地の生産者グループは、私たちのような国外の団体とやり取りしているオフィスのほかに、
実際の製品をつくる小さなグループをいくつか抱えています。
現地へ行った際には、実際に商品を生産している現場を訪れ、
製品を仕上げてくれている職人たちに会います。
とても奥地にあって訪問ができない場合を除いて、
会ったことがない生産者の元をなるべく訪れるようにして、
顔の見える生産を目指しています。
バングラデシュの生産者「アーティザンハット」で
商品の縫製について報告をする仕入れ・生産チームマネージャーのマサコ
不具合があってお客さまから返品いただいた商品も持っていき、
直接生産者に見てもらうようにしています。
商品の報告だけでなく、現地でデザイナーが縫い方の指導をすることもあります。
そうすることで、日本の市場で求められる品質を実感してもらい、
技術向上・意識向上につなげていくのです。
生産者が上達していく様を見ることができるのはうれしいと語るジュンコ(左)
また、商品の値段を決める際も、生産者と対等な立場で話し合い、
お互いが納得できる点を見つけています。
コストを抑えるため、なるべく無駄は出ないよう
生地の裁断の仕方まで、ピープル・ツリーのスタッフが指導することも。
直接顔をあわせ、長い時間をともにしているからこそ
オープンな関係でいろんな課題を一緒に解決していくことができるのです。
仕事を通して感じるやりがい
付き合いが長い団体は10年以上も一緒にピープル・ツリーと活動しているため、
日本のお客さまのニーズをきちんと理解してくれている場合が多いですが、
やはり、文化の違いから、日々のコミュニケーションで
ストレスを感じることもあります。
バングラデシュの生産者から
「雨が降ってしまって、生地が乾かないから出荷できない!」と言われたり
また、ほかの団体でも「つくり手が祝日で帰省していていつ帰ってくるのかわからない!」と
連絡があるなど、驚かされることもしばしば。
でも最後になんとか、お客さまにご案内した納期までに
商品を仕上げて納品してくれたときには、
「よかった!」と達成感を感じるそうです。
「つくり手や環境にやさしい製品をつくっている
会社で働くということもやりがいになっている」と話すユウコ(左)と、
「商品の企画段階から、最後の販売に至るまで
一貫してみられるのがうれしい」と話すヨシコ(中央)。
「仕入れ・生産チーム」のお仕事、いかがでしたでしょうか。
ピープル・ツリーのオフィスでは、すべての部署が同じフロアで
仕事をしています。そのため、席に座っていても、いろんな部署の声が
聞こえてきますが、「仕入れ生産チーム」からは、
いつも現地の窓口担当の方と英語で話をしている声が聞こえていて、
ときには楽しそうに冗談を言ったり、
商品の出荷前の忙しい時期は、ぴりっとしていたり。
今、ちょうど夏の新作を販売中ですが、
こうやってお客さまへ無事商品をお届けできるのも、
日々現地とコミュニケーションの積み重ねの上に成り立つことだと
痛感しました。
次回は、各地で生産した商品の輸出から、
日本へ輸入するまで担当する「輸入・物流」チームのインタビューです。
お楽しみに!
(ピープル・ツリー 通販担当 クギミヤ)