フェアトレードの10の指針
フェアトレードの10の指針
WFTO(世界フェアトレード連盟:World Fair Trade Organization)は、途上国の立場の弱い人びとの自立と生活環境の改善を目指す世界中の組織が、1989年に結成した連合体です。
欧米や日本の輸入団体と、アジア、アフリカ、中南米の生産者団体が加盟し、情報を共有しながらともにフェアトレードの普及を目指しています。
ピープルツリー(フェアトレードカンパニー株式会社)は1996年にWFTOの前身であるIFATに加盟し、2003年にはフェアトレード団体としての保証を受けています。
WFTOは、フェアトレード団体が順守すべき指針として以下を定めています。また加盟団体が基準を守り活動しているかをモニタリングしています。
フェアトレードの10の指針 (10 Principles of Fair Trade)
- 1. 生産者に仕事の機会を提供する
- 社会的に弱い立場に置かれた小規模の生産者が不安定な収入や貧困から脱し、経済的に自立することを支援します。
- 2. 事業の透明性を保つ
- 経営や取引における透明性を保ちます。すべての関係者に対し説明責任を果たし、参加型の意思決定を行います。
- 3. 公正な取引を実践する
- バイヤーと生産者は、連帯と信頼、互いへの思いやりに基づき長期的な取引を行います。小規模生産者が社会的・経済的・環境的に健全な生活ができるよう配慮して取引し、利益を優先することはありません。また要望があれば、バイヤーは生産者に収穫や生産に先だって前払いを行います。
- 4. 生産者に公正な対価を支払う
- 生産者に対し、その活動地域の基準で社会的に受け入れられ、生産者自身が公正だと考える価格を支払います。公正な対価とは関係者全員の合意により決定されるものです。男女の同等の労働に対し、平等な対価を支払います。
- 5. 児童労働および強制労働を排除する
- 生産過程での強制労働を許さず、国連の「子どもの権利条約」および子どもの雇用に関する国内法や地域法を順守します。生産に子どもが関わる場合はすべて公開・監視の上、子どもの健全な生活や安全、教育、遊びに悪影響を及ぼさないようにします。
- 6. 差別をせず、男女平等と結社の自由を守る
- 雇用や賃金、研修の機会などにおいて、人種や社会階級、国籍、宗教、障害、性別や政治的信条など、あらゆる面において一切の差別をしません。男女に平等の機会を提供し、特に女性の参加を推進します。また、結社の自由を尊重します。
- 7. 安全で健康的な労働条件を守る
- 生産者が安全で健康的な環境で働くことができるよう、現地の法律やILO(世界労働機関)で定められた条件を守ります。また、生産者団体における健康や安全性についての意識の向上を継続的に行います。
- 8. 生産者のキャパシティ・ビルディングを支援する
- 立場の弱い小規模な生産者に、ポジティブな変化をもたらすことができるよう努めます。生産者の技術や生産・管理能力などのキャパシティが向上し、市場へアクセスできるよう支援します。
- 9. フェアトレードを推進する
- フェアトレードの目的や必要性をより多くの人に知ってもらえるよう啓発します。また、消費者に対して販売者や生産者、商品の背景にある情報を提供し、誠実なマーケティングを行います。
- 10. 環境に配慮する
- 生産地で持続的に採れるものなど、サステナブルに管理された素材を最大限に活用し、エネルギーの消費と二酸化炭素の排出が少ない生産を心がけます。農業ではできるだけオーガニックや減農薬など環境への負荷の低い方法を用います。梱包にはリサイクル素材や生分解可能な素材を用い、輸送にはできるだけ船便を使います。