国際女性デーとフェアトレードの役割
3月8日は「国際女性デー」。
女性の権利を向上し、政治や経済の場への女性参画をサポートする日として、1975年に国連によって定められました。
女性が活躍することは、貧困や差別のない世界を実現するために不可欠なこと。
女性のエンパワーメント(権限を与え、自立すること)は、フェアトレードにおいても重要な課題です。
フェアトレードの世界的なネットワークであるWFTO(世界フェアトレード機関)が定める「フェアトレードの10の指針」のひとつに、
「差別をせず、男女平等を推進する」と掲げられています。
WFTOが定めたフェアトレード10の指針をアイコン化したもの。
6番目に「差別をせず、男女平等と結社の自由を守る」の項目があります。
WFTOの地域グループであるWFTOアジアは、メンバー団体のほとんどが生産者団体であり、生産者の75%を女性が占めています。
そのためジェンダー・ワーキング・グループをつくってさまざまな研究や提言、そしてメンバーのためのオンライン研修など、実践的な学ぶ機会を提供しています。
男女平等の実現は、単に数の上で女性の雇用を増やすことにとどまりません。
フェアトレードのものづくりに携わる女性たちは、主に貧困家庭の出身であったり、社会的階層で差別を受けている人びとです。
彼女たちが差別や暴力から逃れて、尊厳ある暮らしを実現するには、適切なサポートが必要なのです。
WFTOアジアでは、メンバー団体からさまざまな成功事例を集めて、経験をシェアしています。
もちろん政治的な背景や宗教、習慣が違う他国の事例を、そのまま自分たちの組織に当てはめることはできませんが、
多くの女性がフェアトレードに携わることで能力を伸ばし活躍していることは、メンバーの間で貴重な教材になっています。
日本の私たちは、商品の購入を通じて生産者を「支援する」立場にあるはずですが、
世界経済フォーラムが毎年発表する「ジェンダー・ギャップ指数」の日本の順位はなんと、144か国中111位(2016年)。
世界でも男女平等の度合いが低い国です。
「途上国」とよばれる国々で活躍する女性のストーリーに、むしろ日本の私たちが学ぶ点は多いかもしれません。
例えば、ピープルツリーのアイテムを手掛けるインドのフェアトレード団体「サシャ」は、
フェアトレードの礎を築いたひとりである故シャビィ・コーリ女史が1978年に立ち上げた、手工芸品や衣料品の職人グループを支援する組織です。
職人の大半が女性で、サシャでトレーニングを受けて技術を身につけ、起業して自分のグループをつくった人もいます。
リーダーのマジェダさんがサシャで刺繍の技術を習得して立ち上げたグループは、技術が向上してオーダーが増えたため、新しい工房も建設しました。
サシャでディパリさんが3人の仲間とミシン1台で始めたグループ。 30年以上の実績を持ち、今では35名の女性が働き新しいミシンも導入しました。
また、バングラデシュの生産者団体「タナパラ・スワローズ」は、1971年の独立戦争で村の男性が全員殺され、残された女性たちが生計を立てるために立ち上げた団体。
本来は男性の仕事であるはた織りの技術を女性たちが習得し、手織り生地の衣料品やバッグなどをつくっています。織り・縫製・刺繍、品質管理など部門で200名以上が働いており、そのほとんどが女性です。
刺繍部門で働くマニーさんは、日雇い仕事の夫の収入を補うために仕事を始め、 10年のキャリアを持ちます。
スワローズが運営する保育所に通った娘は今、小学生に。 融資を受けて自宅も建てました。 娘の進学と結婚に備えて貯金もしています。
フェアトレードのものづくりの背景には、それぞれの女性たちのストーリーがあります。
身につけることで、彼女たちのエネルギーと笑顔を感じることができるでしょう。
ピープルツリーでは3/12まで、国際女性デーのキャンペーンを行っています。
国際女性デーをきっかけにフェアトレードのアイテムのことをもっと知っていただけたら幸いです。
女性の権利を向上し、政治や経済の場への女性参画をサポートする日として、1975年に国連によって定められました。
女性が活躍することは、貧困や差別のない世界を実現するために不可欠なこと。
女性のエンパワーメント(権限を与え、自立すること)は、フェアトレードにおいても重要な課題です。
フェアトレードの世界的なネットワークであるWFTO(世界フェアトレード機関)が定める「フェアトレードの10の指針」のひとつに、
「差別をせず、男女平等を推進する」と掲げられています。
WFTOが定めたフェアトレード10の指針をアイコン化したもの。
6番目に「差別をせず、男女平等と結社の自由を守る」の項目があります。
WFTOの地域グループであるWFTOアジアは、メンバー団体のほとんどが生産者団体であり、生産者の75%を女性が占めています。
そのためジェンダー・ワーキング・グループをつくってさまざまな研究や提言、そしてメンバーのためのオンライン研修など、実践的な学ぶ機会を提供しています。
男女平等の実現は、単に数の上で女性の雇用を増やすことにとどまりません。
フェアトレードのものづくりに携わる女性たちは、主に貧困家庭の出身であったり、社会的階層で差別を受けている人びとです。
彼女たちが差別や暴力から逃れて、尊厳ある暮らしを実現するには、適切なサポートが必要なのです。
WFTOアジアでは、メンバー団体からさまざまな成功事例を集めて、経験をシェアしています。
もちろん政治的な背景や宗教、習慣が違う他国の事例を、そのまま自分たちの組織に当てはめることはできませんが、
多くの女性がフェアトレードに携わることで能力を伸ばし活躍していることは、メンバーの間で貴重な教材になっています。
日本の私たちは、商品の購入を通じて生産者を「支援する」立場にあるはずですが、
世界経済フォーラムが毎年発表する「ジェンダー・ギャップ指数」の日本の順位はなんと、144か国中111位(2016年)。
世界でも男女平等の度合いが低い国です。
「途上国」とよばれる国々で活躍する女性のストーリーに、むしろ日本の私たちが学ぶ点は多いかもしれません。
例えば、ピープルツリーのアイテムを手掛けるインドのフェアトレード団体「サシャ」は、
フェアトレードの礎を築いたひとりである故シャビィ・コーリ女史が1978年に立ち上げた、手工芸品や衣料品の職人グループを支援する組織です。
職人の大半が女性で、サシャでトレーニングを受けて技術を身につけ、起業して自分のグループをつくった人もいます。
リーダーのマジェダさんがサシャで刺繍の技術を習得して立ち上げたグループは、技術が向上してオーダーが増えたため、新しい工房も建設しました。
サシャでディパリさんが3人の仲間とミシン1台で始めたグループ。 30年以上の実績を持ち、今では35名の女性が働き新しいミシンも導入しました。
また、バングラデシュの生産者団体「タナパラ・スワローズ」は、1971年の独立戦争で村の男性が全員殺され、残された女性たちが生計を立てるために立ち上げた団体。
本来は男性の仕事であるはた織りの技術を女性たちが習得し、手織り生地の衣料品やバッグなどをつくっています。織り・縫製・刺繍、品質管理など部門で200名以上が働いており、そのほとんどが女性です。
刺繍部門で働くマニーさんは、日雇い仕事の夫の収入を補うために仕事を始め、 10年のキャリアを持ちます。
スワローズが運営する保育所に通った娘は今、小学生に。 融資を受けて自宅も建てました。 娘の進学と結婚に備えて貯金もしています。
フェアトレードのものづくりの背景には、それぞれの女性たちのストーリーがあります。
身につけることで、彼女たちのエネルギーと笑顔を感じることができるでしょう。
ピープルツリーでは3/12まで、国際女性デーのキャンペーンを行っています。
国際女性デーをきっかけにフェアトレードのアイテムのことをもっと知っていただけたら幸いです。