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記事: ウガンダからフェアトレードのインパクトを考えるvol.2
バスケットづくりに挑戦して気づいたこと

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ウガンダからフェアトレードのインパクトを考えるvol.2
バスケットづくりに挑戦して気づいたこと

こんにちは。前回は自分の紹介をさせていただいたので、今回は私がインターンをしている、ウガンダの「Uganda Crafts2000Ltd」という会社の紹介をしていきます。

前回の記事にも書いたように、ウガンダはとても失業率の高い国です。大学を卒業しても就職できるのは3割程度と言われています。

そんな中、教育を受けていない女性たちが仕事を手に入れるのはとても難しいことです。一夫多妻も多いウガンダ、多くの女性たちは彼女たちの手で子どもを育てていかなければなりません。

私が出会った生産者の女性は、「ウガンダでは旦那さんが新しい奥さんを見つけると、元の奥さんたちは家から出されてしまう。そのために女性たちは自分で家を建て、子どもたちを育てていかなければならない」という話をしてくれました。実際私のインターン先にもシングルマザーの女性が多いです。また旦那さんはいるけれど、家族の面倒は見てくれないという女性もいました。

もちろんすべての人がそうというわけではありませんが、こういったことが「珍しいこと」ではないと感じました。彼女はUganda Crafts2000で働き始めて家を建てることができたと話してくれました。でもまだまだ小さな家だからもっと大きな土地を買って家畜や野菜を育てたいと語ってくれました。家を借りている女性もまだ多いため、「自分の家を持つこと」は大きなステップではあるかと思いますが、そこが全てのゴールではないのだなと思いました。

そんな女性たちに雇用機会を設け収入の向上を目的につくられたのがUganda Crafts 2000ltdです。

代表のBettyは以前ハンディクラフトを扱った小さなkioskを経営していましたが、政権の影響で店を閉められることを強いられました。一度は店を閉めたものの、彼女の顧客でありユニセフの職員であったMarlynのサポートのもと、Uganda Craftsという名のNGOを設立しました。2000年に民間の会社になり、名前もUganda Crafts 2000Ltdと変更しました。

2007年にはWFTOの認証を受けたフェアトレード団体となりました。現在ではアメリカのTen Thousand Villagesをはじめヨーロッパ、日本とも取引があります。

Uganda Crafts 2000ltdでは現地の材料を使ったハンディクラフトを販売しています。

アフリカの国々では、各国がローカルな材料を用いてカゴやバック、バスケット等のクラフト製品が女性たちの手によってつくられています。Uganda Crafts2000ltdでもメイン商品である、バスケットのつくり方についてご紹介していきます。

ウガンダバスケットの材料はバナナの葉の茎の部分と、ラフィアヤシの繊維の部分です。

上がラフィアヤシ、下がバナナの茎の部分 上がラフィアヤシ、下がバナナの茎の部分

バナナの葉 バナナの葉

この葉っぱの茎の部分を細かく裂き、2〜3日ほど天日干しにすると「ブケド」と呼ばれる原料ができあがります。

ブケドはつくるのに時間がかかるため、バスケットを編む女性たち自身はつくらず、仕入れています。ウガンダではクラフト製品をつくるのは女性の仕事と考えられていますが、ブケドをつくるのもまた、女性の仕事なんだそうです。こうして現地の材料を使うことによってまた雇用が生まれます。

ブケドを運ぶ女性 ブケドを運ぶ女性

ブケドは近くの村でつくっているお家へ行くか、マーケットへ行って購入します。先日生産者の女性のお家にホームステイさせていただいた際に、私もこのブケドを持たせてもらったのですが、とても重い……! これを持って20分も歩くのかと少し気が遠くなってしまいました。

ラフィアヤシはマーケットで買ってきたものを使い染色します。染色はパウダーと水を鍋に入れ煮立たせます。

染色の材料となるパウダー、上からピンク、赤、黒、青、緑、紫 染色の材料となるパウダー、上からピンク、赤、黒、青、緑、紫

染色したラフィアヤシ 染色したラフィアヤシ

こうしてできあがった材料を用いて、ひとつひとつ手で編んでいきます。女性たちは家事と家事の合間にバスケットをつくり、できたバスケットをお店に持ってきます。生産者の女性たちは国中のいろんなところに住んでいますが、それぞれの地域で小さなグループをつくり、代表の女性が金曜日にお店に来ます。こうして小さなネットワークをつくることによって、数を確保できています。

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そして今回、私もバスケットつくりに挑戦させてもらいました。器用に手を動かしている女性たちを見ていると、なんだか私でもできるような気がしていましたが、実際につくってみるとすごく難しかったです。

私がつくったものはラフィアを巻く時にゆるくなってしまい、ふにゃふにゃで、形は思ったようにいかず、でこぼこなバスケットになってしまいました。求められた色、デザイン、形、サイズをつくることがいかに大変なことか改めて感じました。
ブケドを運ぶのも、バスケットを編むのもひとつひとつのつく業が想像以上の重労働で身を持って大変さを知ることができよかったです。

また、実際に挑戦してみて改めてこのバスケットつくりが「職人技」であるということを実感し、ウガンダの伝統工芸として守っていきたい技術だなと強く思いました。

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私がつくったバスケット。右が最初で左が2個目。上手にはできなかったけれどとても愛着が湧いてます 私がつくったバスケット。右が最初で左が2個目。上手にはできなかったけれどとても愛着が湧いてます

こうして女性たちの手によって丁寧につくられたバスケットは、ひとつとして同じものはなく、それぞれにストーリーが込められています。

今回はメイン商品であるバスケットを紹介させていただきましたが、この他にもアクセサリーやカバンなどもあるので是非一度HPを覗いてみてくれたら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


安藤ふき菜


【同シリーズの記事はこちら】
ウガンダからフェアトレードのインパクトを考える
2018年5月22日
番外編 半年たって思うこと
2017年12月4日
Vol.5 ウガンダでの挑戦が教えてくれたこと
2017年11月10日
Vol.4 バスケットを編めるように!6日間のトレーニング
2017年9月1日
Vol.3 ホームステイでウガンダ人の暮らしを体感!!
2017年6月30日
Vol.1 ウガンダのフェアトレード生産者団体からフェアトレードのインパクトを考える